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先日日本の歯科医療に大きく貢献された保母須弥也先生が亡くなられたことは歯科関係の新聞や雑誌などで大きく取り上げられているのでご存じの方も多いと思うのですが、もう一人入れ歯の神様といえるような偉大な先生がひっそりと亡くなられていたことをご存じの方がどれくらいいるのであろう? 今日はその先生のことを紹介したいと思います。 その先生の名は『桜井唯次先生』です。享年97歳でした。 桜井先生と聞いてピンと来られた方はかなりの入れば通、そうあの桜井式無痛デンチャーの産みの親である先生なのです。入れ歯のことをちょっと勉強した先生なら、いろいろな入れ歯の流派というか、○○式。。。ってな具合にいろんな入れ歯の作り方があるのをご存じだと思う。私も大学院を卒業してから2年ほど赴任した診療所で最初はかなり入れ歯には悩まされました。なにせ、学生実習で作って以来作ったことのもない入れ歯を突然作らないといけなくなったのですから。そんな時に出会ったのがこの桜井式無痛デンチャーだったのです。 桜井先生は総入れ歯の研究のために自分の健康な歯を抜いて自ら総入れ歯の患者となって日々入れ歯の研究をされたという、今ではちょっと考えられないような先生。 でもその結果、後世の歯科医師や入れ歯で悩む患者様にとってはとても偉大な功績を残されたのです。 先生は亡くなられてもその技術、考え方は技工士さんや歯科医師に後々にも伝えられていくことでしょう。 私もこの桜井式デンチャーの作成法や考え方を理解することで入れ歯を苦手だとは感じなくなりました。むしろ入れ歯治療の有用なところも感じるようになりました。そしてその考え方は入れ歯にとどまらずインプラントなどの日々に臨床にも生かされています。今では大月歯科医院の入れ歯の治療にはこの技術が生かされていて、入れ歯を作る技工士さんもその継承者の一人です。 大月歯科医院には私の臨床のお師匠である先生のところからいただいてきた桜井先生が作られた入れ歯のレプリカがあります。そのレプリカをちょっと感慨深く眺めていると、ちょっと時代には合ってないのかもしれませんが 『歯医者の職人魂を忘れてはいけないよ。君の仕事はいったい何なのかを思いだしなよ。』って言われているような気がしました。
先生のご冥福をお祈りいたします。
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